事故車の修理方法や修理金額について争いになっている場合、事故車そのものを確認できるかどうかは、非常に重要な意味を持ちます。

なぜなら、修理費の争いでは、単に見積書の金額が高いか安いかを検討するのではなく、実際にどの部位に、どの程度の損傷があり、その損傷を事故発生前の状態に戻すために、どのような修理方法が必要であったのかを確認する必要があるからです。
このとき、事故車がまだ残っていれば、現車確認によって損傷の位置、範囲、深さ、波及の有無、部品交換や補修の必要性などを確認することができます。
しかし、すでに車両を売却していたり、廃車処分していたりすると、現車確認ができません。
その結果、本来であれば車両を確認すれば明らかになったはずの損傷事実について後から確認することができなくなります。
特に、相手方保険会社やアジャスターが修理方法や修理金額を争っている場合には、争点となっている部分について「実際にその損傷があったのか」「交換が必要な状態だったのか」「補修では足りなかったのか」といった事実確認が必要になります。
ところが、車両がすでに存在しない場合にはその確認ができません。
もちろん、写真、見積書、修理工場の説明、事故状況資料などから一定の検討を行うことは可能ですが、しかし、写真が不足していたり、争点となる部分が写っていなかったり、損傷の程度が判断できない場合には、主張を裏付けるための根拠が十分に示せないことがあります。
その場合、本来であれば正当な修理費として主張できた可能性がある内容であっても、証拠として説明できないため、主張そのものが弱くなってしまう可能性があります。
つまり、事故車を早期に売却・廃車処分してしまうことは、修理費の争いにおいて重要な証拠を失うことにつながる場合があるのです。

したがって、修理方法や修理金額について相手方保険会社との間で争いがある場合には、示談が成立する前に車両を売却・廃車処分することは慎重に考えるべきであって、少なくとも、車両を処分する場合には、争点となる損傷部位の写真撮影、修理工場による技術的説明、必要に応じた第三者による車両確認などを行い、後から損傷事実を説明できる資料を残しておく必要があるでしょう。
修理費の争いでは、「どのような損傷があったのか」という事実が出発点になります。その出発点となる車両を確認できなくなると、損傷事実の証明が難しくなり、結果として本来認められるべき修理費が認められにくくなる可能性があるのです。
そのため、事故車の売却や廃車処分は、示談成立後、または必要な証拠保全を行った後に判断することが望ましいと思います。

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もったいないです。
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